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訪問看護での在宅酸素管理ってどんなことやるの?

・そもそも在宅酸素療法って?

 在宅酸素療法(Home Oxygen Therapy:HOT)とは、COPD、間質性肺炎、肺がん終末期等の慢性呼吸不全患者等に対して、在宅環境で酸素を持続的または間欠的に供給する療法です。日本では医師の処方に基づき、医療診療で提供されます。高齢化の進行とともに、慢性呼吸器疾患患者が増加し、在宅酸素の導入が進んでいます。訪問看護は在宅酸素利用者に対する継続的な観察・指導・緊急対応を担う重要な役割を果たしています。


・在宅酸素療法の注意点

1.酸素濃度の適切な管理

 在宅酸素療法の際、酸素流量は医師の指示に従うことが重要です。流量を自己判断で変更すると、低酸素状態やCO2ナルコーシスといった危険な状態を招く可能性があります. 適切な酸素流量は、ご活用者様の状態や活動量に合わせて医師が慎重に決定します


2.火気・高温に注意

 酸素は火気を助長する性質があります。酸素吸入中に火気(タバコ、ライター、ストーブなど)を使うと、火災が発生する危険があります. 酸素吸入中は、火気から2m以上離れた場所で吸入するようにしましょう


3.感染予防

 マスクや鼻カニューレの清潔を保ち定期的に交換を行う必要があります。また、風邪等の感染症リスクを軽減するためにも手洗いやうがい、こまめな消毒が必要です。


・LEの地域専門職としての関わり方

 LEでは常日頃より「いない時の事を考えた訪問看護」を徹底しており、在宅でご本人、ご家族が安心して生活が送れるようなサポートを行っています。また、在宅酸素を使用していても「自分らしい生活」を送れるようなサポートが送れるように心掛けています。


実際の訪問場面において以下のことを実践しております。

〇多職種連携(CM、福祉業者、主治医、ヘルパー、その他連携機関等)

 →LE独自の情報共有ノート、通院時のお手紙、SNS・FAXでの情報共有、タイムリーな

  電話連絡にてこまめな情報共有を行っています。

〇主治医と連携を取りながら具体的な場面での酸素量の調整を提案

 →ご活用者様の訪問時、訪問時以外の様子を把握し、各機関へ共有を行っています。

  さらに、主治医からの指示をご活用者様に伝える際は「こうなったらこうする」等の

  具体的かつわかりやすい説明を心掛け、必要に応じて「見える化」に努めています。

〇ご家族様が不安を軽減する為に適宜管理方法の指導、緊急時の対応方法の伝達

 →使用方法、緊急連絡先、緊急時の対応方法等を書面などで残し、「目で見てやり方が

  分かる」指導を行っています。

〇緊急訪問を最小限にする事を意識した訪問看護

 →24時間対応の訪問体制を整えておりますが、日々の訪問から緊急事態が発生しない為

  の訪問を行っています。

〇ご家族様の介護負担軽減、精神的負担の軽減を目的に、その他サービスの提案

 →訪問看護だけに囚われず、ショートステイ、デイサービス、訪問診療等の様々な

  サービスの提案を行っています。その為にケアマネージャーや主治医とのこまめな

  情報共有を行っています。

〇停電、地震等の災害時の対応方法(非常時連絡先の確認等)の事前確認

 →在宅酸素療法は、基本的には電力源が必要な為、災害時には酸素ボンベへの付け替えが

  必要なケースがあります。その場合を想定した対応方法の指導、確認を行っています。

〇必要性に応じた吸引器設置の提案、依頼、ご家族への吸引指導

 →在宅酸素療法を行う方の中には吸引が必要になるケースが多く見られます。主治医と

  連携し、吸引器設置の依頼、ご家族への吸引器の使用方法の指導を行っています。

  また、訪問時に看護師スタッフだけでなくリハビリスタッフも吸引が行えるよう社内

  での研修も行っています。

〇生活動作(自宅内移動、入浴動作、外出等)の動作訓練、動作指導

 →在宅酸素では気管カニューレを装着する為、生活場面での制限が見られる場合が

  あります。自宅で起こりうる様々な動作を確認し、必要に応じて動作方法の指導を

  行っています。さらに、入浴時の呼吸状態、動作確認、環境整備を行い、必要に応じて

  主治医との情報共有、ご本人様、ご家族様への動作指導を行っています。

〇呼吸器リハビリテーション、自主トレーニングの実施、ご家族への指導を行う

 →酸素療法利用者の中には、労作時の息切れや気管カニューレの管理等の影響により、

  活動量低下が見られるケースが見られます。また、胸郭の可動域低下による肺の

  コンプライアンス低下、喀痰機能低下が生じる可能性があります。それらの予防の為、呼吸器リハ、全身運動などの訓練、自主トレーニングの指導を行っています。


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