ここで私の話をさせて頂きます。私が看護師になった理由は、入退院を繰り返す母の存在でした。母は病気がちで入退院を繰り返しておりました。その時に、入院中の母と自宅での母とでは表情が全然違い、自宅での表情の方がいきいきしていた事を覚えています。その時の思いが強く、学生の時分からゆくゆくは在宅と心に決めていました。しかし新卒で飛び込む勇気がなく、病院で3年務めた後に友人の紹介でLEに入職しました。

そうして働き始めて思った事が、在宅って「楽しい」でした。1時間を1人のご活用者様だけに使える贅沢、ご活用者様とゆっくり向き合える贅沢、ご家族と一緒に考え悩める贅沢、これらは在宅ならではの感覚だと思います。しかしそれと同時に奥深さもあり、例えるなら抜け出せない沼のような感覚もありました（笑）。私たちは限られた時間内でニーズを把握し、叶えていく必要があります。病院のように連続性を求め実践できる場ではありません。私たちのいない6日と23時間を考えた介入が必要な場所なのです。

　私たちは在宅で色々な疾患の方にお会いしたり、営業活動をしたりする為、社会人として、ジェネラリストとして日々成長していく必要があります。病院ではできない成長が在宅にはあり、いち社会人として成長していく喜びがLEにはあります。

　ここで1つ忘れられないご活用者様のお話をさせてください。70代の糖尿病・腎不全の方です。この方は疾患の増悪に伴い右下肢を切断しており、左足趾は壊疽による処置が必要な方でした。暴飲暴食が強くみられていたため、医療者として食事指導が必要だと考えましたが、その時にご活用者様が仰った言葉を今でも覚えています。「好きなものを食べるために病院から退院した。食べることが1番好きなんだ。それが体に悪いことは知っている。でも覚悟を持って食べてるよ。足を切断したことも後悔していない。」と仰いました。まさに目から鱗が落ちた思いでした。健康＝幸せ、とは限らない、在宅には人の数だけ幸せの形があるのだと再認識した事例でした。この方は足趾の壊疽が改善したことで介入は終了してしまいましたが、今でもこの言葉が心に残っています。この方が体現していた、この方らしい幸せの形、絶対に病院では経験できない介入だったと思います。
その人の思いを中心に介入できる幸せが在宅にはあります。皆さんも是非一緒にLEで働きましょう！

初台で待っています！