LE EXPO2019 レポート
『仮面女子 猪狩ともかさん特別講演』
仮面女子 猪狩ともかさん特別講演
2020.1.15
LE EXPO2019の講演のメインイベント、仮面女子の猪狩ともかさんとの対談を今回は記事にしました!
当日来れなかった方は必見!
テーマは「自分らしく生きるとは」です。
不慮の事故によって脊髄損傷となり、そこからどう復帰したのか。
そんな猪狩さんにとって自分らしく生きるとはどういうことなのか。
皆さんが猪狩さんに聞きたいことも含めて対談形式で行いました!
MC:今日はよろしくお願いします。それではまず自己紹介からお願いします。
猪狩さん:皆さん本日はお集まりいただきありがとうございます。仮面女子の猪狩ともかです。よろしくお願い致します。
MC:よろしくお願いします!すいません、緊張気味なので変かもしれませんがよろしくお願いします(笑)
猪狩さん:大丈夫です。ほぐしていきましょう!(笑)
リハビリで苦労したのは〇〇だった!?
MC:フロアからの質問がここに載っているんですけど、「リハビリテーションって大変でしたか?」とあるんですが、確か4ヶ月半ぐらいで退院されたんですよね?
猪狩さん:そうなんです。よくすごい早いって言われるんですけどね。
MC:リハビリで一番苦労したのはなんですか?
猪狩さん:一番苦労したのは横トランスですね!それで入院が伸びたっていうぐらい苦労しましたね。
※横トランス:横方向に移動介助を行うこと。(トランスファー=移転、移動をさし、医療介護業界では移動介助という意味で使っております。)
そうなんですね。力すごい使いますもんね。床トランスとかはどうだったんですか?
猪狩さん:それも大変だったんですよ!(笑)それでも入院が伸びたっていうぐらいです。たまに今も理学療法受けに行くんですけど、私と同じぐらいの体格の女の子が普通にやってたりして。
MC:できるようになったきっかけはあるんですか?
猪狩さん:ある日突然できるようになったんです。特にきっかけとかはなかった気がします。
MC:そうなんですね!やり続けるって大切ですね。
家屋環境のプチお困り事件。(笑)
MC:家の家屋環境とかは退院前に変えたかと思うんですけど、どんな風に変えたりしたんですか?
猪狩さん:もともと部屋は2階だったんですけど、1階に部屋を持ってきました。そこにベッドやら、外に昇降機をつけたりしたんです。
MC:それは確かにやらないといけないですよね。今生活してる中で困ってることとかありますか?
猪狩さん:困ってること、、、あります!昇降機が1階の窓の外のところにあるんですけど、リモコンが外側にあってうまく操作ができないんです!(泣)
MC:ん?外側っていうことは届かないところにあるってことですか?
猪狩さん:そうです!なので1人で外出ができないのでいつも頼んでやってもらってます。これって設計ミスですか?(笑)
MC:そうかもしれませんね。(笑)
最近のお仕事について
MC:また違うジャンルの話をしますが、パラリンピックにも最近はたくさん関わっているのを目にしますが、もともと興味とかはあったんですか?
猪狩さん:もともとはなかったですね。むしろ怪我をしてからそういうお仕事をするようになりました。今となっては怪我をきっかけに出会ったお仕事です。
MC:何か競技とかは体験されたんですか?
猪狩さん:今まで結構やらせてもらえて、10個までは行かないですけど、7、8個ぐらいやりましたね。
まだやっていなくて自分がやっていたいのはアーチェリーです。アーチェリーは車椅子に座ったままできるのでやってみたいです。腕の力をすごく使いそうなのでまた腕がムキムキになっちゃいそうですけどね(笑)
MC:(笑)確かになりそうですね。
私一回だけやったことがあるんですけどでもあれ本当に腕の力が必要で大変でした。(笑)私はうまくいかなくて弓がまっすぐ飛ばなくて弓が揺れて飛んでましたね。
猪狩さん:まっすぐ飛ばないってやつですね(笑)
さて本題にいきましょう!
復帰への葛藤
MC:復帰されるにあたって不安みたいなのはありましたか?
猪狩さん:車椅子姿で戻っていいのかなって思ってたときがありましたね。入院中にライブ配信で映像をみてたときにやっぱり仮面女子かっこいいなって。そんなかっこいい仮面女子を壊したくないなと葛藤はありましたね。
復帰してからも実は心中では思っていました。でも乗り越えるっていうよりは通過していくというか、私の中ではそんな思いでした。よく困難は乗り越えると言いますが、私はどちらかと言えば〝向き合っていく〟っていう風に思っています。
MC:向き合うってすごく難しいことだと思うんですよね。怪我も含めてそうだと思うんですけど、猪狩さんにとって困難に向き合うときに大事にしていることは何でしょうか?
猪狩さん:時間をかけることです。仮面女子で活動していきながら、やれることが増えていくと少しずつ自信にもなりました。例えばライブなら最初は手だけを動かしていたのを今度は自分でフォーメーション移動とかやってみたりそうやってできることが増えて時間をかけていった結果、自信が少しずつついていきましたね。
フロア:出演しているテレビを拝見させて頂いた時にとにかく笑顔だなっていう印象がありました。ただ苦難ですとか、いろんな言葉もあって、嫌だなってこともあったかと思うんですけど、その中でも前向きになろうと思って自分にかけている言葉とかありますか?
猪狩さん:自分にかけている言葉ですか、、。例えば自分に対して心ない言葉を見たときは、もちろん落ち込みますし、ちょっとむかっともします。
でもそれを気にしてる時間は無駄だなと。どうしても人間って嬉しい言葉をかけてくれる人が多いのにそういう嫌な言葉を言う人を気にしてしまうと思うんですね。でもこの人以上に応援してる人もいるんだからと思ってやってますね。
でも全然真顔の時もありますよ。(笑)
嫌なことあっても気にしないって難しいと思うんですけど、私は私なんだからと思っていますね。
これから車椅子という現状に落ち込まなかったのか
※講演を聞いてくれた方に直接質問も行いました。
フロア:私は今車椅子で過ごしています。最初はうまく受け入れることができませんでしたが今は自分らしく過ごすことができております。猪狩さんは車椅子になっても自分らしく生きるために考えたことはあったのでしょうか?
猪狩さん:私とっては仮面女子という存在がそうでしたね。とにかく仮面女子に戻りたかったんです。入院する前に実はドームで仮面女子のイベントを控えていたんですね。入院してからもそれには絶対出たいっていう思いがあったんです。
そのおかげで早く復帰できたのかなって思いますね。自分にとっての生きがいとか趣味ってすごく大事だなって感じました。普段からそういうのに溢れているのってすごい素敵だなって思いますね。
自分らしく生きやすい社会を作るために必要なこととは
MC:事前に質問させてもらった中の一つでこのイベントの来場者に伝えたいこととして「自分らしく生きやすい社会とは何かを話したい」とおっしゃってましたが、どうしたら自分らしく生きやすい社会が作れるか何か考えていることはありますか?
猪狩さん:自分から発信していくことはまず大事かなと思いますね。私自身自分のことを発信していったことでたくさんの方に今の自分を知ってもらえてこういった仕事につくこともできましたし、今は発信する場もたくさん増えたので皆さんもまずは自分のことを発信していけばいいと思いますね。
MC:そうですね。ツールはたくさんありますし、だからこそ多様性を受け入れようみたいなことも言われてきていますもんね。それで気づいてもらえることもたくさんありますもんね。猪狩さんが発信したことで勇気をもらえた方もたくさんいるんじゃないかなと思います。
猪狩さん:そうだと嬉しいですね!
これからの医療従事者の方に伝えて欲しいこと
MC:弊社は看護師やリハビリの専門職もいっぱいいます。ここの参加者も多くの医療介護従事者がいます。今働いている医療介護従事者に伝えたいことはありますか?
猪狩さん:きっと知識とかはあるかと思うんですけど、例えば排泄のこととかをケアをしていく時に、「可哀想だな」とかそういう感情は持たないで欲しいなって思います。そういう感情を持たれるとこっちも頼みづらくなるので、、、。そういう気持ちを大切にしていってほしいなって思います。
猪狩さん貴重な講演ありがとうございました!!
なかなかこういう風にお話しを聞ける機会がないので会場にいた皆さんはとても良い経験をしたかと思います。今回の講演をきっかけに明日からより良いサービス、日常を過ごすことができれば嬉しいです!
お読みいただきありがとうございました!!
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猪狩さんが所属する仮面女子のブログ:https://ameblo.jp/live-alice/
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