在宅看取りを支える訪問看護の要。「ターミナル加算」とは?
- leloveile
- 2 日前
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「住み慣れた場所で最期を迎えたい」という願いを、私たちは全力で支えています。高齢多死社会が本格化する今、在宅での看取りは訪問看護ステーションにとって避けて通れない重要な使命です。ターミナルケア加算は、その重い責任と、ご利用者様・ご家族様に寄り添う質の高いケアを国が認めた証です。しかし、「算定要件が複雑で難しい」「記録が不十分で漏れてしまう」と、現場では悩みが尽きません。
この記事では、後悔のない看取りを実践しながら、同時に加算を確実に算定するための具体的な「算定要件」と、看護師が意識すべき「3つのケアの極意」を、徹底解説します。質の高いケアと適正な報酬、その両立を共に目指しましょう。
そもそも「在宅ターミナルケア」とは何か?
在宅ターミナルケアとは、住み慣れた自宅で、ご活用者様とそのご家族に寄り添い、「その人らしく生きることを支える」看護の総称です。病気で余命わずかな人、認知症、老衰の人などが満足して最期を迎えられるようにすることが目的です。

ターミナルケア加算・療養費の算定要件
介護保険(ターミナルケア加算2,000単位)
• 死亡日および死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを実施すること(24時間以内に在宅以外で死亡した場合も含む)。
• 「人生の最終段階における医療・ケア決定のプロセスにおけるガイドライン」等の内容を踏まえ、ご本人・ご家族と話し合い、意思決定を基本に連携の上で対応していること。
• 主治医や他機関と連携し、計画の説明と同意を得てケアを実施し、その必要な事項を記録に残すこと。
医療保険(ターミナルケア療養費Ⅰ 25,000円/Ⅱ 10,000円)
• 在宅での死亡日および死亡日前14日以内(計15日間)に2回以上訪問看護基本療養費などを算定し、ターミナルケアを実施すること。
• 訪問看護におけるターミナルケアの支援体制(担当者名、連絡先など)をご活用者様とご家族等に説明し、同意を得て実施していること。
• 介護保険と医療保険の訪問日数を合算し、合計2日以上実施した場合は、最後に実施した保険制度で算定が可能。
• 入院や施設入所の24時間以内の死亡でも算定が可能。
看取りを支える訪問看護の「3つのケア」
在宅ターミナルケアは、「身体的ケア」「精神的ケア」「社会的ケア」の側面から実施します。
身体的ケア
体力の低下・痛み・呼吸苦など終末期には様々な身体的苦痛が伴います。この苦痛を最小限に抑え、安楽な状態を保つことが私たちの最優先事項です。
• 疼痛コントロール:医師と連携し、麻薬(オピオイド)など薬剤を適切に使用し、痛みをコントロールします。
• 症状マネジメント:呼吸困難、吐き気、浮腫などの不快な症状を細やかに観察し、点滴や薬剤の調整を提案します。
• 清潔ケア・衛生管理:身体が動かせなくなっても、清拭や口腔ケア、排泄ケアを丁寧に行い、最後まで清潔で気持ちよく過ごせるよう支援します。
精神的ケア
ご活用者様ご本人だけでなく、ご家族もまた「死の受容のプロセス」の中で、不安や抑うつ、怒りなど、複雑で大きな感情に揺さぶられます。
• 傾聴と共感:まずはご本人とご家族が抱える不安や恐れをすべて話せるよう、時間をかけて耳を傾けます。
• 心の変化の理解:精神科医のエリザベス・キューブラー=ロスが提唱した「死の受容の5段階(否認→怒り→取引→抑うつ→受容)」を念頭に置き、その時々の感情を否定せず、真剣に向き合うことが求められます。
社会的ケア
病状の進行に伴い、仕事や社会的な役割を失うこと、経済的な負担、また介護による孤独感や疲弊など、社会的な問題も発生します。
• 多職種連携:ケアマネージャーや地域の福祉サービス、ボランティアなどと連携し、生活環境を整えます。
• 社会的サポート:不安や孤独感に対し、訪問看護師がコミュニケーションを通して寄り添い、ご活用者様やご家族が孤立しないように支えます。
後悔のない最期を迎えるための「意思決定支援」
後悔のない最期を迎えるために最も重要なのが「意思決定支援」であり、その中心となるのがACP(アドバンス・ケア・プランニング)、別名人生会議です。これは、人生の最終段階における医療・ケアについて事前に考え、医療・ケアチームなどと繰り返し話し合い、共有する取り組みです。人の意思は揺らぐものであるため、訪問看護師は定期的に確認を重ねることが重要です。
また、積極的な延命治療は行わず、症状を和らげることに焦点を当てた治療に切り替えるBSC(ベストサポーティブケア)についても、DNAR(蘇生処置拒否)と混同しないよう、明確な説明と意向の確認を徹底します。
LEが紡ぐ「親を呼びたいまち」での最期の物語
在宅看取りにおける「ターミナルケア」は、単なる医療処置の継続ではありません。それは、ご活用者様が生きてこられた証を尊重し、ご家族と共にその人生を最後まで丁寧に支え切る、極めて尊い時間です。
私たちLE訪問看護ステーションが掲げる「自分の親を安心して呼べるような、温かいケアが溢れるまちづくり」というビジョン。この想いが最も深く試されるのが、看取りの現場であると考えています。
「もし、これが自分の親だったら、どんな言葉をかけ、どんな手で触れるだろうか」
私たちは常にそう自問自答しながら、ご自宅へ訪問を続けています。最期の瞬間まで痛みなく、穏やかに、そして何より「その人らしく」過ごしていただくこと。そして、お見送りをされたご家族が「このまちで、家で看ることができて本当に良かった」と前を向けること。その架け橋となることが、私たちの使命です。
加算という仕組みは、その質の高いケアを継続していくための大切な基盤です。しかし、その根底にあるのは、お一人おひとりの「人生の会議」に真摯に耳を傾け、揺れ動く心に寄り添い続ける泥臭いまでの誠実さだと確信しています。
「親を呼びたい」と思えるほど誇れるこのまちで、最期まで安心して自分らしく生ききることができるように。LE訪問看護ステーションは、これからも専門職としての確かな技術と、家族のような温かな心を携えて、あなたとご家族の大切な時間に寄り添い続けます。



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