LEに入職する前は、大学病院の整形外科・泌尿器外科の混合病棟で3年間勤務しておりました。尿路ストーマを増設された患者様の退院支援を行ったり、膀胱留置カテーテルを挿入したままご退院される患者様が安心してご自宅へ戻れるように症例研究を行ったりなど、病院勤務時代も在宅看護に触れる機会は少しだけありました。退院された患者様が実際に多くの時間過ごすのはご自宅になります。大切な患者様の生活状況やリスク管理がとても気がかりとなっていました。退院後の在宅療養の支援に人一倍関心があったのか、気づけば訪問看護師に興味を持つようになりました。

 

　訪問看護師といえば、看護経験歴の長いスタッフが多いだろうといった勝手なイメージがありました。しかし入職してみると、同世代のスタッフが多く在籍されていて本当に驚きました。年齢は全く関係なく、積極的に地域貢献している先輩方の姿を目の当たりにして、たくさんの良い刺激をもらいました。

 

　そして、LEで印象に残っているご活用者様のエピソードがあるので紹介します。90代女性でショートステイ中に大腿部を骨折されご入院された方がいました。術後の患肢の創部の血流不良が原因で、ご入院中に20㎝程の褥瘡が発生しました。もともと食欲も旺盛で明るく笑顔が素敵なご活用者様でした。しかし入院を機に、とても仲の良かった娘様とお会いできなくなったことや、コロナ渦の病院といった閉ざされた環境でストレスを感じられ、食事を受け付けなくなりました。主治医の先生からは、下肢の切断もしくは、このままお看取りの方針とICがあったそうです。

　あまりにも食事の拒否が続いていたので、特別に許可をもらって、娘様が作ったお食事を差し入れしてみることになりました。するとご活用者様は手に取って召し上がり、数週間ぶりに「おいしいね」と笑顔になられたそうです。それから、主治医の先生や娘様、ケアマネージャー様と連絡を取り合っていたのですが、「大切なお家と大好きなご家族様と一緒に過ごして頂く」という目標と方針で一致しました。自宅退院後は通院をしながら、基本的な褥瘡の処置とリハビリをLEで行い、娘様の作った色鮮やかで素敵なお食事を食べられ、訪問入浴サービスでゆっくりと温まって頂くといった環境を整えました。日に日に笑顔が増えていくのが分かり、体重も増加、真皮や組織を超えていた褥瘡部は、感染を一度も起こすことなく完全に塞がりました。形成外科の通院が卒業となったときは、ハイタッチをして娘様と喜びました。あれから入院することなく、今もリハビリで立位訓練やボール投げを行っていると報告を受けています。

 

　このエピソードの大切なところは、私たちの知識や技術ではなく、ご活用者様が住み慣れたご自宅で安心して過ごせたことと、ご家族様の絶え間ない大きな努力がベースにあり、そこに一つの支援としてLEが介入させて頂けたことです。病院が好きな方なんて居ないんだなと痛感したと同時に、ご自宅で療養したい方々の支援をすべき会社が「LE」であると実感できました。

 

　LE入職後は、「地域支援」という病院では見ることができなかった景色を毎日みて、たくさんの刺激や感動をもらっています。大変こともありますが、私はLEと訪問看護の仕事をとても誇りに思っています。在宅や訪問看護に興味のある方はぜひ一度、見学に来てみませんか？